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万葉集編集録

「万葉集」は、奈良時代末期に成立したとみられる日本に現存する最古の和歌集であり、すべて漢字(万葉仮名を含む)で書かれており、 天皇、貴族から下級官人、防人(防人の歌)、大道芸人、農民、東国民謡(東歌)など、さまざまな身分の人々が詠んだ歌が収めら、作者不詳の和歌も2100首以上ある。

7世紀前半から759年(天平宝字3年)までの約130年間の歌が収録されており、成立は759年から780年(宝亀11年)ごろにかけてとみられ、編纂には大伴家持が何らかの形で関わったとされ、『万葉集』二十巻としてまとめられた年代や巻ごとの成立年代について明記されたものは一切ないが、おおむね以下の順に増補されたと推定されている。

 

巻1の前半部分(1 -53番)… 原・万葉集…各天皇を「天皇」と表記し、万葉集の原型ともいうべき存在。持統天皇や柿本人麻呂が関与したことが推測されている。

巻1の後半部分+巻2増補…2巻本万葉集 持統天皇を「太上天皇」、文武天皇を「大行天皇」と表記し、元明天皇の在位期を現在としており、元明天皇や太安万侶が関与したと推測されている。

 

巻3 - 巻15…巻15までしか目録が存在しない古写本(「元暦校本」「尼崎本」など)の存在などから、15巻本万葉集 が一度完成したと考えられ、元正天皇、市原王、大伴家持、大伴坂上郎女らが関与したことが推測されている。

残巻増補…20巻本万葉集 延暦2年(783年)ごろに大伴家持の手により完成したとされているが、『古今和歌集』真名序には「昔平城天子、詔侍臣令撰万葉集」という言葉が載せられており、最終編者に、五百枝王(臣籍降下後は春原五百枝)の名が挙がっている。